公共の福祉に基づく人権の制限が違憲か合憲か、この判断は非常に難しいです。↑上記では公共の福祉自体をどう捉えるかかで分けていました。今回は、別のアプロ―チからになります。つまりは、その具体的な制限自体を評価して、違憲かを判断する方法です。 平等の違憲審査基準は,厳格審査,中間審査(「厳格な合理性」の基準),合理性基準(合理的根拠の基準)の3つに分類するのが一般的ですね(芦部130~131頁)。 ここでは,自由権の違憲審査基準に倣い,下記のようにまとめてみました。
だから、合理的差別は適法という考え方を容認することは、あらゆる差別を「合理的」とする余地を残すことになります。 「障害者」が不合理な差別だといくら主張しても裁判所が「一般並みが基準だから合理的だ」と判決する可能性が極めて高いといえます。 ① 精神的自由権に関連した差別については、厳格な審査基準を適用する。 ② 経済的自由権に関連した差別については、狭義の合理性基準を適用する。 ③ そのどちらにも属さない一般的な差別の合理性が問題になる場合には、厳格な合理性基準を適用する。 違憲審査基準って、小難しい言葉がたくさんあって混乱しがちですよね。「厳格な合理性の基準」とか「明白性の基準」とか。あと、「二重の基準」と「目的二分論」とか似ている言葉があったり。ちょっと分かりづらいと思ったので、図にしておきました。
なお,違憲審査基準論は,いわゆる適用審査においても,基本的には妥当します。 (1)公共の福祉による制限の時代 まず, かつての判例は,①「公共の福祉という抽象的な原理によって人権制限の合憲性を判定する考え方」でした 。 しかも,違憲審査基準としての位置づけが異なっているように読める。 すなわち,「中間審査基準」型の厳格な合理性の基準は,「最も厳格な審査 基準」ないし「『厳格審査』基準」や,「合理的根拠の基準」と対比させつ 一部、補足(2016/01/24) 昨日、ロースクールの親友に憲法の質問をされた。 それは、伊藤たける氏のブログを見ての質問だった。 ameblo.jp どう説明すればいいのか迷ったけれども、せっかく元試験委員の先生に授かった知識なので、最近の文献を参照しながら説明しておこうと思う。 違憲審査におけるLRAの基準 藤 井 俊 夫 一 法曹教育と憲法訴訟論 (一) 憲法論と憲法訴訟論 憲法訴訟論は、現在の訴訟制度の枠組みの中で、また、問題となっている具体的な事案の内容・性質に対応し 4 平等違反の違憲審査基準 ・「平等」が相対的平等を意味する以上、合理的差別は許される。⇒では、合理的取扱いと不合理な差別との区別をいかにすべきかという問題。※思うに、その区別は民主主義な …
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